「無数の空さわぐ」
- atsux.
- 4月23日
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更新日:1 日前
「日本語オンラインクラス散歩道」ブログ 25.4-③
こんにちは。
「日本語オンラインクラス散歩道」へようこそ。
葉桜の季節です。淡いピンク色の記憶を抱きながら、緑の濃さを増していく葉桜を見上げていると、時の流れの早さと、自然の力の大きさを改めて感ぜずにはいられません。
この葉桜の情景を、俳人の篠原梵(1910-1975)は次のように詠みました。
葉桜の中の無数の空さわぐ
葉桜の季節は、過ぎゆく春の余韻を引きずる、少し特別な時間です。見上げる葉桜の中の、無数の空のきらめきに、宇宙のエネルギーを感じ、新しい季節の到来を予感します。
松山の石手寺にはこの句の碑があって、何年も前に一度訪れたことがあります。その時は道後温泉につかることが主たる目的でしたが、巡礼の地にやって来て、お参りもしないのでは御利益が薄れるのではと思い、石手寺まで足を延ばしました。お参りを済ませ、石手寺の境内を散策していると、大きな自然石でできたその句碑に偶然出会うことができました。その句碑があることを全く知らずに散策していたので、その時は、いたく感動したことを覚えています。
この句に出会ってから今まで、葉桜は自分にとって特別の存在であり続けています。

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