「目には青葉」
- atsux.
- 4月21日
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更新日:1 日前
「日本語オンラインクラス散歩道」ブログ 25.4-②
こんにちは。
「日本語オンラインクラス散歩道」へようこそ。
新緑の季節となりました。
新緑には心や体をリフレッシュしてくれる効果があります。
新緑の山を眺めていて山口素堂(1642-1716)の俳句を思い出しました。
目には青葉 山ほととぎす 初鰹
鮮やかな新緑、ほととぎすの鳴き声、初鰹が店頭に並び始めた江戸の街の情景が目に浮かぶようです。それぞれの言葉が、鮮やかな色彩や音を想起させ、初夏の息吹を生き生きと伝えます。
「目に青葉」の五音ではなく「目には青葉」と敢えて六音にしていますが、そのことによって「目に映る青葉のなんという鮮やかなことであろう!」という主観的な捉え方が強調されているように思います。もし「目に青葉」であれば、より客観的な描写になり、感動の深みは薄れてしまうかもしれません。
「は」は、視覚、聴覚、味覚の三つの要素を対比する役割を持つと一般に解釈されているようですが、個人的には、この句の「は」は、感動や詠嘆のニュアンスを極めて多く背負っているように思います。一字多いにもかかわらず、俳句のリズムは、むしろ良くなっているような気さえします。

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